歯周病PERIODONTAL DISEASE
歯周病とは
歯周病は、歯を支える組織が炎症を起こす病気です。
最初は歯ぐきの炎症から始まり、放置すると歯の支えが弱くなり、最終的には歯が抜け落ちる原因となります。
歯の健康は、全身の健康とも深く関連しています。
特に、歯周病は全身の疾患とも関係しています。
そのため、歯を守ることは、快適な生活を送るための重要なステップとなります。
歯周病は、初期段階では自覚症状が少なく、気づきにくいのが特徴です。
しかし、放置してしまうと進行し、歯の支えとなる骨を破壊し、最終的には歯を失う原因となります。
さらに、進行すると治療が困難になり、時間とコストがかかることも。
このようなリスクを避けるためにも、歯周病は予防と、早期発見・早期治療が非常に大切です。
日常の適切な口内ケアと、定期的な歯科検診を心がけることで、歯周病のリスクを大きく減少させることができます。
歯を失わないために、そして健康な生活のために、歯周病予防と早期治療をおすすめします。
歯周病と全身疾患との関連性
近年の研究により、歯周病が全身の健康に影響を及ぼすことが明らかになってきました。
心疾患: 歯周病の細菌が血管を通じて全身を巡り、心臓にダメージを与える可能性が指摘されています。
糖尿病: 歯周病は糖尿病のコントロールを難しくすると言われており、逆に糖尿病が歯周病を悪化させることも。
妊娠・出産: 歯周病の母親は早産のリスクが高まることが知られています。
歯周病の進行と発生のメカニズム
歯垢の蓄積
歯の表面や歯と歯ぐきの境界には常にバクテリアが存在しています。
これらのバクテリアは食べ物の残りかすや唾液と混ざり合って、歯垢を形成します。
歯石の形成
歯垢が定期的に取り除かれないと、歯垢の中のミネラルが結晶化し、歯石となります。
歯石は歯垢よりも硬く、ブラッシングだけでは取り除くことができません。
初期の歯周病【歯肉炎】
歯垢や歯石に含まれるバクテリアが増殖すると、歯ぐきが反応し炎症を起こします。
これが歯肉炎の初期症状です。
歯ぐきが赤く腫れたり、ブラッシングや食事の際に出血することがあります。
歯周炎の段階で、治療を開始できれば、歯周病の進行を阻止し、症状を大きく軽減することができます。
歯科のプロフェッショナルクリーニングやルートプレーニング（歯石やバクテリアの除去）、ブラッシング指導などの処置を行って、症状の改善を目指します。
進行した歯周病
放置すると、炎症は歯の支持組織にまで及び、歯周ポケットが深くなります。
歯周炎の段階では、歯ぐきの下にバクテリアが侵入し、歯の骨や結びつきの組織を破壊します。
これが進行すると、歯の動きや位置の変化が生じ、最終的には歯が抜け落ちる可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
進行した歯周病の場合、外科手術が必要な場合があります。
歯周フラップ手術：歯周ポケットの深さを減少させるために、歯ぐきを持ち上げて歯石を取り除き、再配置します。
骨再生手術：失われた骨を再生するための手術です。
歯の移植：重度の骨喪失がある場合、歯を移植することで、噛む機能の回復や審美的な問題を解決できることがあります。
歯周病の予防方法
▶フロッシング
歯ブラシだけでは取り除くことのできない歯石や歯垢を、歯間ブラシやデンタルフロスを使用して取り除きましょう。
当院では、補助清掃用具の選び方や使い方についても、ご指導させていただいております。
▶定期的な歯科検診
早期の歯周病は自覚症状が少ないため、定期的なチェックが必要です。
お口にトラブルがなくても、年に１～2回程度歯科検診を受診し、歯周病の有無を確認するようにしましょう。
歯科検診では、歯のプロフェッショナルクリーニングで歯石と歯垢を取り除き、歯周病やむし歯の有無を確認します。
歯周病は放置して進行してしまうと、抜歯の可能性のある病気です。
歯を失ってしまうと、入れ歯（義歯）で補うことになりますが、その使い心地は天然歯にはかないません。
いつまでも、ご自分の歯でお食事や会話を楽しむためには、歯周病を予防することと早期治療を行うことが重要です。
静かに進行する歯周病は、ご自分で気づくことの難しい病気です。
お口にトラブルがなくても、年に１～2回程度の歯科検診の受診をおすすめいたします。